2022年12月11日の話(15) 昔話その2

朝起きると2階の窓からは 太平洋が広がるオーシャンビュー (そんなにお洒落ではない)
食卓には新鮮な魚介類が並ぶ (毎日魚で当時は嫌だった)
今思えば最高な環境で 生まれ育っていた
ただ、当時から過疎化が 始まっていた集落で 近所の同級生は 男子4人女子4人の村で 外に出ればいつも同じ顔ぶれだった
活発で気の強かった僕は そんな小さな村のガキ大将だった
僕が幼稚園に上がる頃 突然、姉が腎臓を患い 熱海の国立病院に 長期入院することになった
本来ならみんなと一緒の幼稚園に 入園する予定だったが
姉の看護もあり 僕は一人 少し離れた保育園に 入園した
元来、明るい性格もあって すぐに友達とも 仲良くなり保育園生活を 楽しんでいた
家にはマイカーがなかったので 毎朝、母の自転車で通っていたのだが 母が姉の病院に午前に行く時は 路線バスで通園することがあった
僕の田舎のバスは 乗車時に整理券を取って乗車し 降りる場所で料金を払う いつも整理券を取るのは 僕の役割だった
その時間に走っている 運転手さんにも 顔を覚えてもらい 『いつもありがとうなぁー』 と声をかけてもらった僕は 得意げになって 整理券を“支払いBOXに入れると 母親より先にバスを降りていた
そんな日々がしばらく続いた とある日曜日の事だった

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