2022年12月11日の話(17) 昔話その4

バス会社の事務所で 泣きじゃくる僕たちを 友達のお父さんが迎えに 来てくれた。
友達のお父さんが 頭を下げてくれて バス会社も子供のやったことだから と、今回はと大目にみてくれた。
帰りの車の中で 友達のお父さんに 軽く説教をしていただき 家まで送ってもらったのは もう日が暮れた頃だった。
玄関の電気がついていて そこには、 僕の母の姿があった 友達のお父さんに頭を下げて 帰る姿を見送り終えたとき、、、
『バチンっ!』 思いっきりお袋に叩かれた
『あんたはなんて事するの!』
『あんた達が帰って来ないから みんながどれだけ心配したか わかってるのっ!』
もう一度『バチンっ!』 と叩かれた
『しばらく外で反省しなさいっ!』 と 家から閉め出された。
僕はよく悪戯をすると 家から閉め出されていて 慣れたもんだったが さすがに悪い事をしたと 泣きじゃくっていたのだが
その日のお袋は なかなかの御立腹だったようで なかなか家に入れてくれなかった。
いい加減お腹も空き 喉も渇いてきた頃には 僕は泣き止んでいた
漁師の家には 外に冷蔵庫がある 採っていた 魚や貝を入れておくためだ
僕はその中にはいつも オロナミンCがあることを 知っていた
『これは大人の飲み物だから 子供は飲んじゃダメ‼︎』 とキツく言われていたのだが さんざん泣いて お腹は空き 喉はカラカラ だったらこともあり
迷うことなくオロナミンC 冷蔵庫から取り出して 立て続けに2本飲んだ
はじめてのはずの オロナミンCを なんの抵抗もなく飲めたのは 密かに、ばあちゃんが 僕に飲ませていたのだ
そして3本飲んでいると “おにぎり”を持った 優しい表情の お袋が玄関から出てきた
オロナミンCの瓶をくわえた 僕を見ると
『炭酸飲んじゃダメでしょ‼︎』 『バチンっ!』
思いっきり叩かれ 再び鬼の形相に変わったお袋は 家の中に入っていった もちろん“おにぎり“は持ったまま、、、

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