2022年12月11日の話(20) 新しい家族の話1

新しい家族の話①
僕たちは 同じ市内ではあるが 今まで住んでいた海辺の街から 少し離れた街中に引っ越した。
狭いアパートだったが 新しい環境で母親(おかー)のストレスも いくらか和らいだようだし 公園も近くにあり 近所の人も優しく 住みやすい場所だった。
姉貴(おねー)は まだ入院していたが 生活が落ち着いて しばらくすると もうすぐ退院になると 聞かされた。
そんなある日 “おかー“が ヤオハンの最上階にある レストランに行こうと 出かけて行った。
ウチは貧乏だけど 誰かに会うときは 必ず他所行きの服を着せられたので (誰かに会うんだ)と僕は思っていた。
ヤオハンの最上階の レストランに入ると 案の定“誰か“が待っていた。 男の人だった。
僕がダレ?と聞くと “おかー“がその時言った。 『ゆうじの新しいお父さんにある人だよ』
ポカン⁇
よくわからない僕は多分その時 (あっそうなんだ…) と単純に受け入れたんだと思う。
その新しいお父さん(おとー)は 少しクセが強めだが 素晴らしい人だ。 今でもおかーと一緒にいて 脳出血で倒れたおかーを 10年以上も介護してくれている
おとーのクセが強めところを 一つ紹介すると 極上の酔っ払いで いろいろと伝説をつくってきた そのおとーの最近 酔うと毎度毎度話すことがある
『いいか〜ゆうじ、、、 俺は“おかー“の面倒を死ぬまで、、 見るからなー! 今まで散々面倒見てくれた “おかー“を俺は、、俺は、、 愛してるからな〜って チュウ♡してるんだ』 実にクセが強めである
血の繋がりのない僕たちの 新しい家族 『おとー』 彼の存在がなければ 今の僕達は無いに等しい。 心から尊敬する父親である。

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