2022年12月11日の話(43) 煙草その3

煙草その3
港にあるテトラポット 防波堤に使われる 形の合わない 巨大レゴブラックみたいな あれである。
テトラは 干潮時にはちょいと奥に入ると なかなか良い秘密基地になる
秘密裏に煙草に火をつけるには 最適な場所である
そう、 火のないところには煙ば立たぬ ことわざのとおり 煙草を吸うには火がいるのである
自販機ではライターは売ってなく ライターを手に入れるには 煙草屋で買わなければならない。
これがなかなかの問題だった
なんせ煙草屋のお婆さんは 曲者として名高いのであった
店のドアを開けると 第一声がこんなである
『お菓子は無いよ』
昔の日本 少なくとも僕が幼い頃の日本は まだまだ地域で子供を みてくれていた
教科書では 核家族化が問題視されていたが 田舎町ではまだまだ 地域の目があった
親や学校が”見張る”のではなく 地域の大人達で”見守る“ そんな共同体感覚で 生活していたんだと思う
今のようにコンビニで 機械的に年齢確認を するのではなく リアルな年齢チェックがあり 子供を不良の世界に 足を踏み入れさせない そのお婆さんは 正に地域の守護神的存在なのかも
『アンタ、ライターなんに使うの? 煙草はダメだよ〜』
そこで試されるのが どうやって切り抜けるか の人間力。
次回お婆さんとの直接対決 その模様をお送りいたします。
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