2022年12月11日の話(9) ガパオライスその1

すっかりとアジア飯に
感化された僕は
東京でのバイト先も
その手の店を選んで働いていた。

当時僕が東京にいた理由は
『役者』に”なりたい”、、
と思っていた。なんてことは

今思えばただの言い訳で
単に地元の”しがらみ”から
抜け出したかっただけだった。

自主制作の映画や
劇団の舞台に出たり
雑誌の撮影みたいなことも
やってみたけど
いわゆる”泣かず飛ばず”
そもそも”なりたい”では
泣く気も飛ぶ気もない

『〜になる』(〜は人それぞれ)
そう強く思わなければ
ただのそれっぽいヤツでしかない。

ちょうどその頃
舞台が終わりお金もないので
アルバイトしていると
常連さんがとある男性を
連れてきた。

その男性は西麻布でBARを経営していた

僕の天性の調子の良さを気に入ってくれて
『お前、なんか困ったら連絡してこい!』
と名刺を置いて帰っていった。

しばらくなんとなく働いていけど
《役者、そろそろやめよかな》
なんて思いはじめていた。

そんな時その男性の名刺を思い出し
電話をかけた。
そしてまもなく
その後の人生を左右する
西麻布デビューとなったのである。

つづく、、、

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