2022年12月11日の話(16) 昔話その3

ある休みの日だった 近所の男子達(僕を含め4名)で 防空壕の跡や近所の山などで いつものように レンジャーごっこや探検ごっこをして 遊んでいた
ひとしきり遊んで そろそろ飽きてきた時 僕はあることを言った
『あのさー、俺の行ってる保育園に みんなで遊びに行こうよ』
いつも遊んでいる友達に 自分の通っている保育園を 紹介したくなったのだ
『えーでもどうやって行くの⁉︎』
と、皆に聞かれると僕は、、、
『そうだ!バスで行こう‼︎』
と、半ば無理矢理バスに乗り込んだ。
いつものように整理券をとり お気に入りの前の席に陣取り 不安がる友達に小声で
『降りるときはこの券をあの箱に入れるんだよ』
と得意げで教えていた。
いくつかの停留所をすぎて 保育園近くになったところで 停車ボタンを押すと バスが停まった
そら行け!と皆を先に降ろし 僕も整理券をいつものように 回収箱に入れて いつものように降りようとした その時⁉︎
大きな手に腕を掴まれたのだった
ふと顔を見上げると いつもの運転手さんとは 違う人だった
その人は 僕の顔を睨みつけ 『お金は?』 と問いただされた
整理券で乗車できると 思い込んでいた僕と友達ら もちろん無銭乗車の現行犯で バス会社へと連行されて行った。

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